ヤミ米業者 vs. 農協 その6
地元の人達は、こうした微妙な話をあっけらかんと語ってくれました。
そして、誰もがヤミ米業者のことを批判的には語りませんでした。
いえむしろ、同情的というべきでした。
「農家のほうから電話して、買ってくれって持ち込んでいるんだよ。
そっちのほうが、高く買ってくれるからね。
それをなんだい、邪魔してよ、アイツら。
俺たちに損害を与えているんだぜ」
倉庫のほうを見やりながら、1人がこんなことをいいだすと、いつしか私達の立ち話の輪は、激しい本音のぶちまけあいとなっていきました。
「これまでコメが余っているからって、減反させられて、余ったコメも安く買いたたかれてきた。
俺達は農政に散々、苦しめられてきたんだ。
ヤミ米屋はそういうときからコメを高く買ってくれたんだ。
凶作になったからって、農協に出荷しろっていわれても、農民はもういうことを聞かないよ」。